社員のメンタル不調・会社はどう対応したらいい?

従業員のメンタルヘルス不調は、多くの企業にとって継続的に向き合う必要のある課題です。
心身の不調が業務に影響し始めた場合、早い段階で適切な対応を取ることは、本人の健康維持だけでなく、職場全体の安定にもつながります。
企業には、従業員が安全に働ける環境を整える責任があり、不調の兆候を見逃さず、状況に応じた対応を行うことが重要です。
今回は、従業員のメンタルヘルス不調に対して会社が取るべき基本対応と、その際に注意すべき点について解説します。

社員のメンタル不調会社はどう対応するか

兆候の早期発見と初期対応

従業員に遅刻や欠勤の増加、業務上のミスの増加、表情や態度の変化、対人関係のぎこちなさなどが見られる場合は、心身の不調が背景にある可能性があります。
以前より発言が少なくなる、集中力が続かない、感情の起伏が大きくなるといった変化も、職場で気づきやすいサインのひとつです。
異変に気づいた場合は、業務評価とは切り離して体調確認の機会を設け、無理のない形で本人の状況を確認することが重要です。
必要に応じて、産業医やや会社指定医師、社内相談窓口、外部相談機関の利用を案内することも有効です。

医師の診断に基づく対応の指示

従業員が医療機関を受診し、診断書を提出した場合には、その内容を確認した上で会社としての対応を検討します。
診断書には休養の必要性や就業上の配慮事項が記載されることがありますが、会社はそれだけで機械的に判断するのではなく、業務内容や職場状況も踏まえて対応を決める必要があります。
必要に応じて産業医・会社指定医師の意見を確認し、勤務時間の調整、業務内容の軽減、休職の検討などを段階的に行います。

会社による労務環境の確認と改善

従業員の不調が職場環境と関係している場合もあります。

長時間労働、過度な業務集中、上司や同僚との関係、ハラスメントなどが背景にある可能性があるため、個人の問題として片づけず、職場全体の状況も確認することが重要です。
必要に応じて業務配分の見直しや相談体制の整備を行い、同様の不調が広がらない環境づくりを進めることが求められます。

会社が社員のメンタル不調に対応すべき理由

安全配慮義務違反のリスク回避

企業には、安全配慮義務に基づき、従業員が安全に働けるよう配慮する義務があります。
メンタルヘルス不調の兆候があるにもかかわらず必要な対応を取らず、症状が悪化した場合には、会社の対応が問われる可能性があります。
そのため、不調の把握後は記録を残しながら適切な対応を進めることが重要です。

社員への法的責任発生の防止

不調への対応が不十分な場合、労務トラブルに発展することがあります。
休職判断、復職判断、配置変更などが不適切だった場合には、後に会社対応の妥当性が争点になることがあります。
そのため、判断過程を明確にし、医師や産業医等の意見を踏まえて進めることが望まれます。

会社全体の生産性維持のため

メンタルヘルス不調を抱えたまま業務を続けると、本人だけでなく周囲の業務負担にも影響することがあります。
早い段階で就業上の調整を行うことで、本人の回復を促しつつ、チーム全体への影響を抑えることにつながります。
結果として、職場全体の安定した運営にもつながります。

会社がメンタル不調社員対応で注意すべき点

放置による症状悪化の防止

初期の不調は外から見えにくいことがありますが、変化を見過ごすと休職や長期離脱につながることがあります。
そのため、体調変化が続く場合には、一度きりで終わらせず継続的に状況を確認することが重要です。

診断書無視による不利益回避

医師の診断書は重要な判断資料ですが、会社は主治医の診断だけでなく、産業医等の意見や実際の業務状況も踏まえて判断します。
診断書を軽視して無理な就労を続けさせた場合、後に対応の適切性が問題となることがあります。
休職や復職の判断は、複数の情報をもとに慎重に進める必要があります。

不適切な解雇の回避

メンタルヘルス不調を理由に直ちに解雇することは適切ではありません。
解雇が有効と認められるかは、就労継続の可否、回復見込み、休職制度の利用状況、配置転換の可能性などを含めて個別に判断されます。
まずは休職や業務調整など、他の対応策を十分に検討することが重要です。

まとめ

従業員のメンタルヘルス不調への対応では、早期把握と慎重な判断が重要です。

会社は本人の状態だけでなく、職場環境や業務負担も含めて確認しながら対応を進める必要があります。
診断書や医師意見を参考にしつつ、産業医等や社内制度も活用しながら、無理のない形で就業調整を行うことが望まれます。
判断が難しい場合には、人事や労務の専門家の社労士へ相談しながら進めることが、トラブル防止につながります。

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